6-3 到着、藤沢宿
2014-05-04


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 1.遊行寺の門前町 藤沢宿へ
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 2.遊行寺坂の松並木
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 3.到着、藤沢宿
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3.到着、藤沢宿
 藤沢の松並木に到着した二人は、存分に写真を撮った(実際に写真を撮ったのはおさべえだけだが)。そして、いよいよ松並木を歩きながら遊行寺の坂を下るのである。
【き】「松並木はいいね。東海道らしい。」
【お】「確かに見事だね。」
【き】「松が車道と歩道の間になるので、松の下を歩けるなぁ。」
【お】「神奈川県の東海道で有名な松並木といえば、やっぱり大磯だけど、ここも街道情緒があって立派じゃないか。」
【き】「お、いいこと言うね。東海道といえばやっぱり松並木だからな。」
【お】「この先は遊行寺坂。右側には遊行寺があるよ。」
しばし江戸時代の旅人気分となり松の下を歩く二人。街道は下りこう配となり遊行寺坂にさしかかる。遊行寺の交差点で鎌倉・江の島方面へ向かうことが出来るため、交通量は比較的多い。しかし、松並木はそんな交通量を気にさせない。しばらく歩くと、松並木も終わり一里塚跡の碑と江戸方見附跡の碑が現れる。
【き】「ああ、松並木が終わる。」
【お】「それほど長くないので、あっという間だったな。」
【き】「東海道が終わった・・・。」
【お】「おいおい、東海道は終わっていないぞ。」
【き】「終わったのは松並木だったな。」
【お】「・・・・・・。」
【き】「それにしても、遊行寺坂はだらだらと長いなぁ。上りだったら結構疲れるぞ。」
【お】「こんな坂を箱根駅伝の選手は走って登るんだからさ、すごいよなぁ。」
【き】「そうだな。」
【お】「ん、あそこに碑が建っているぞ。」
【き】「どれどれ。」
二人は碑らしきものへ近づいた。
【お】「一里塚跡。遊行寺の一里塚だ。」
【き】「こっちは江戸方見附跡の碑だ。」
【お】「ということは、ついに藤沢宿へ来たわけだ。」
【き】「いやー、長かったな。」
旅人はついに藤沢宿へ辿りついた。ここからは宿場内となるが、この日は小田急線の藤沢本町がゴール地点となるため、もう少し歩くようである。

 藤沢宿は、遊行寺の門前町として栄えた。鎌倉道、江の島道、宿外ではあるが大山への参拝道を追分として持ち、参拝客で大いに賑わった。鎌倉道に関しては、近くに鎌倉街道上道も通っているが、ここでいう鎌倉道は江戸時代のものである。また、鎌倉時代の東海道(京鎌倉往還)もこの地を通っていたことから、時代を経て交通の要所であった。
 見附の碑を越えると右側に遊行寺の入口があるため、二人は遊行寺の中に入った。境内はとても広く、本堂は大きい。遊行寺は時宗の総本山であり、正中2年(1325年)に創建された。本尊は阿弥陀如来である。
【き】「遊行寺か。大きいな。」
【お】「時宗の総本山だからね。」
【き】「ちょいと休憩しようか。」
【お】「そうだな。」
今回のゴール地点まではしばらくあるため、二人はここで小休止することにした。この小休止があだとなることを、まだ旅人は知らない・・・。
 遊行寺の境内に入ると、本堂の大きさにも圧倒されるのだが、近くにあるイチョウにも目が奪われる。この大イチョウ、藤沢市の天然記念物に指定されている。境内を散策すること30分。時間はまだ15時前であるが、まるで夕方のような暗さになってきた空。そんな空を気にしてか、もう少し遊行寺を散策したいという気持ちを抑え、二人は先を急ぐことにした。

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