第6章 遊行寺の門前町 藤沢宿へ
<登場人物>
旅人「き」:きんのじ
旅人「お」:おさべえ
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<目次(リンク)>
1.遊行寺の門前町 藤沢宿へ
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2.遊行寺坂の松並木
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3.到着、藤沢宿
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1.大坂を上り原宿一里塚へ
戸塚駅前。ここが今回の旅のスタート地点となる。この日の行程では横浜市を出て藤沢市に入り、神奈川県も中部へ向かうのである。天候は曇り。雨が心配されているが、行程の半分が国道1号線を歩くことになるため、おさべえにとってはきんのじの愚痴の方が心配であった。
【き】「おさべえ、準備はいいかい。出発するぞ。」
【お】「きんのじ、気合いがはいっているなぁ。」
【き】「そうじゃないけどさ。歩くのが好きだからね。」
【お】「さて、出発しよう。」
現在の戸塚駅は戸塚宿の中ほどに位置しているため、駅前をスタートした二人はしばらく宿場の中を進むことになる。歩き始めて30分ほどすると、右側に消防署が見えてくるが、その隣に澤邊本陣跡の碑があった。明治天皇の戸塚行在所の碑もあることから、明治天皇が各地を行脚された際に休まれたのであろう。今回最初の史跡である。
【お】「ここが本陣跡か。明治天皇もここで休まれたのだろうな。」
【き】「それにしても、本陣とはどのような建物だったのだろうか。想像がつかないなぁ。」
【お】「絵で見る限りでは、かなり大きな建物のようだけど。」
【き】「見てみたいものだなぁ。」
【お】「東海道筋では、二川宿と草津宿に建物が現存しているそうだよ。」
【き】「二川宿ってどこだ?」
【お】「えっと、この本によると・・・、愛知県だね。」
【き】「愛知県!ここは神奈川県だぞ。」
【お】「まだまだ先というわけだね。」
【き】「先を急ごう。」
【お】「今急いでも変わらないと思うけど・・・。」
本陣跡のあるこの辺りが戸塚宿の中心部であったが、今では駅から少々離れていることもあり、比較的静かな町並みである。駅へ通じる道になっていることもあり、商店が並び、歩くには楽しい場所である。
本陣を過ぎてしばらく歩くと、右側に神社が見えてきた。街道沿いに鳥居があり、石段を少し上がると本殿がある。
【お】「神社があるなぁ。」
【き】「八坂神社と書いてある。」
【お】「なんでも、毎年お札まきが行われ、その際には女装した10人の男性が歌いながら町内を歩くそうだよ。」
【き】「なんかおもしろそうだな。」
【お】「江戸時代から続いている行事のようだね。」
【き】「へぇ〜、由緒ある行事なんだなぁ。」
八坂神社を過ぎて宿場内をさらに進むと、今度は石段が特徴の神社が現れた。鳥居は街道沿いにあるが、本殿は石段を上った先にあるようで、下からでは姿が見えない。
【き】「おお、また神社があるぞ。今度は石段が目立つ神社だな。」
【お】「冨塚八幡宮と書いてあるよ。」
【き】「説明を見ると・・・、戸塚の由来になったようだな。」
【お】「えっと、山頂には古墳があり冨塚と呼ばれていた。この冨塚が戸塚の地名の起こりと言われているのか。なるほど。」
【き】「戸塚の塚は古墳のことだったのか。」
冨塚八幡宮からしばらく歩くと、戸塚宿上方見附跡の碑と説明板があった。ここまでが戸塚宿ということになる。
【お】「上方見附だね。ここまでが戸塚宿ということになる。」
【き】「いよいよ宿場を出るか。」
【お】「それにしても、前回江戸方見附を越えたわけだけど、戸塚宿って結構大きいな。」
【き】「どのくらいの大きさがあったんだ。」
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